2024/02/01 07:09




無事に本をつくり終えることができました!やったー!

・・・と叫びたいところですが、生きている限り道をつくることは続きます。

ということで、次に進むために、
2章に登場する「木の中の案内人」に本を届けてきました。

舞台は津屋崎町にあるテノ森。
みんなの木工所と書かれた場所は、まるでシエラネバダの渓谷にある森のようです。


「木の中の案内人」のモチーフとなった護さんは勝手ながら私の心の師匠でもあります。素敵な人です。写真みたいに、一歩踏み出そうとする人をいつも無邪気に応援してくれます。


ここでは色んなものがつくれます。木を使ったものだけでなく、目に見えない大切なものも。


私は物語に登場する「ククサ」をJMTの出発前につくりました。1日でつくれるだろうと思っていましたが、3日かかりました。手を休めているわけでもなく、力がたりないからでもなく。

「はじめて」って色んなことがパズルのピースのようです。必要なものがピースのようにバラバラになって、色んな場所に転がっている。そもそもピースは生まれた頃からあるんだけど、組み合わせるのに時間がかかる。じれったくなることも、まちがうこともあって、dilemmaを繰り返しながらもコツコツ積み上げると終わりに近づく。その長さは人によってさまざまですが、諦めなければ自ずと終えることができる。





護さんとは、本をつくっている最中に一度お会いしました。

つくっているときは集中しているので、あまり人には会いたくないんです。めちゃくちゃあいたいんですけど、会うのを我慢します。現実の世界と本の世界が微睡んでしまって、本がつくれなくなるんです。境界線が曖昧になっている状態です。これはつくる人たちの中ではよく言われていて。村上春樹さんの作品はとてもわかりやすいかもしれません。彼は想像の中から人を作り出す(といっても出会った人たちの複合体ですが)らしいです。現実には存在しない人を本の中でつくります。けれど、私の場合は生きているひとりの人間をモチーフにしたので、護さんが私の中に2人いるんです。不思議でした。現実と本の中に1人ずついるんです。2人を別人にしたかったのですが、名前をつけることはできませんでした。彼らを別人にすることも融合させることもできなかった。どっちつかず、曖昧な部分。

これは私の悪い癖です。いいかわるいかわからないけど、傷つく人がいるかもしれないから、「悪い」癖です。だから、つくっている最中は人と距離をおくことにしました。実際に会ったら大丈夫なんですけどね。会うと変化するのでまた作り直すだけです。






本をつくり終えてテノ森に届けにいきました。丹精込めてつくったものを渡す時、緊張します。度が超えているとよく言われますが、不躾で傲慢だとすら思います。だから、私は私と向き合いながら渡します。この本はラブレターみたいなものだからって言い聞かす。何度も何度も、書いては捨て書いては捨て、どうやって渡そうか、赤いポストにいれようか、手で渡そうか、そうやってやっと届けることができました。これも。おもいですね。非常におもい。ULとはかけ離れています。いや、ある意味ではULなのかもしれません。

みなさん、こんなおもい、もしくはかるい、本をちゃんと受け取ってくれてありがとうございます。そして、護さん、本当にありがとう。



つづく

p.s. ちょっとまだ整理がつかなくて、走り書きしてます。ゆっくりと歩くように編集していきます〜

#jmt
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